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2010年 読んでおいてよかった本のまとめ

2010年はこれまでになく本をよく読んだ年だったと思う。

量的にもそうだが、重要だったのは質的な変化だ。
特にブログに書くことをきちんと意識するようになってから、読み方がだいぶ変わった。
アウトプットすることを念頭に置くことで、頭への入り方がぜんぜん違う。

僕はそんな読み方をすると非常に疲れてしまうので、すべての本を熟読するというのは難しい、
ということも合わせて悟った。おかげで本を読むペースもあまり崩さずに済んだし、
ちょっと興味があるくらいの本にも手を出してさらっと読む、ということもするようになった。


この記事では、2010年に実際に読んでみて、非常に参考になった本を紹介してみる。

教育やそれを取り巻く社会システムといった領域がメイン。


教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書)
本田由紀著

このブログでも何度となく紹介している本書。
僕が教育に対してなんとなく抱いていた「もやもや」の正体が、ここに書いてある。

僕の「もやもや」に輪郭を与えてくれた言葉が、
ハイパーメリトクラシー化」や「自己実現アノミー」だ。
そして、「もやもや」の対象が現在の「キャリア教育」に対する不安であることを自覚した。

「キャリア教育」に対する不安を端的に述べると、
「それがすべての子どもたちにとって本当にプラスとなるか」という点にある。

"すべての子どもたち"ということが僕にとって重要なことだ。
「キャリア教育」による効果を得られないという場合が無いのか。
あるいは、むしろマイナスの効果を及ぼす可能性は、本当に無いのか。
僕の中学の同級生を見ている限り、「キャリア教育」が全面的に賛同できるものとはとても思えなかった。

(学習達成度という意味において)「学力」の定着がマイナスになることはあまりイメージできない。
個人の能力形成という観点からも、その社会的意義という観点からも。
もちろん、「学力」…「偏差値」という評価軸しかないことの問題点はあるが。

そのような僕の不安に対し、「あなたの不安は正しいですよ」と言ってくれたのが本書だ。

タイトルにある「職業的意義」を僕はまだ見出せていないわけだが、
それを差し置いても、現状に対する冷静な批判は一読の価値があると思う。


「学び」から逃走する子どもたち (岩波ブックレット)
学力を問い直す―学びのカリキュラムへ (岩波ブックレット)
佐藤学著

これらの2冊はある人からの課題図書だった。
書評はこちらの記事にまとめてあります。


新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)
濱口桂一郎著

この本も何度か当ブログで紹介している。
非常にロジカルで、印象論や自己責任論、一部の具体例を全体に適用する乱暴さとは無縁だ。
特に僕が何度も読んだのが、「メンバーシップ型」と呼ばれる"日本型雇用"を原点に、
日本の特徴的な雇用システムが形成されていることの説明がなされている部分。

年功序列に対する批判は尽きないが、それがどのような経緯で形成されたのか、
なぜ今問題となっているのか、ということを考える上で非常に参考になった。
この本の内容が僕の雇用問題を理解する上でのベースになっている。

また、面白いのが、この本で使われている「メンバーシップ型雇用」という言葉を、
先述の「教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ」でも引用されていることだ。
また、後述するが、芦田先生もこの言葉を用いている。

労働市場が「メンバーシップ型雇用」を前提にしているゆえに、
日本の受験システムが生まれ、偏差値主義が大手を振った。

日本型雇用は、日本型教育システムとパラレルに形成されてきたのだ。

そこがつながってくると、日本の教育を見る目も変わってくる。
就活も、その問題は根深く、氷河期といわれる現在でさえ保護されたシステムであることも見えてくる。

極端な見方でなく、事実関係として、また論理的に
現在の日本の雇用システムを考えたい方、おすすめです。


生活保護VSワーキングプア (PHP新書)
大山典宏著

教育とはかけ離れた分野に聞こえるかもしれないが、
日本の教育と雇用システムの問題がどう社会に表出しているか、を考える上で大事な一冊。

日本は高校進学率が世界的に見ても圧倒的に高い反面、
一度レールから外れると復帰しにくく、取り返しのきかない事態を招く傾向にある。

その結果として、現場ではどのような問題に直面しているのか。
この本はフラットな視点で、様々な人の立場から問題が論じられている。


・(おまけ)Learning Planet 2010-03 / vol.3 キャリア教育を考える

こちらは本ではないが、芦田宏直氏と本間正人氏の対談の映像。
全部で一時間くらいだが、これが面白い。
この中でも「メンバーシップ型」「ジョブ型」という言葉が用いられている。
ここでは"中の人"であった芦田先生による「キャリア教育」への批判がなされている。
しかし単に批判するだけでなく、現実的にどのような対策が有効であるかにも言及している。
この話も面白い。僕はこの映像を観てから、きちんと芦田先生の意図をつかむよう
TLを追うべきだ、必要があれば質問もするべきだ、と強く思ったのだった。
(信者と言われるかもしれないが、それでも構わない。自分の糧となるのであれば)


以上のようなことから僕が認識した日本の教育の現状はこうなる。
(レベルが低いとしたらそれは即ち読者の問題であり、本の問題ではない、と思う)

学びなおしもしづらく、進路選択の重要性が相対的に増し、
若い頃の決断一つ一つがその後の人生に与える影響が大きくなっている。
それゆえに「キャリア教育」にも力が入ってしまう。
逆に言えば、やり直しがきく世の中ならば「キャリア教育」を頑張る必要もなくなるし、
受験戦争偏重にもならない。前提が大きく変わるだろう。

しかし、雇用システムが現状を維持する以上、その前提の変更は起きない。
レールから外れない人材を採用するのが新卒一括採用だからだ。
従って、労働市場もより流動的になり、偏差値以外の能力(本田由紀はそれを"専門性"とした)により
評価されるシステムへの移行が必要となる。いわゆる「ジョブ型」の雇用システムだ。


抜本的なシステム変更が、本当に現実的か―論点はそこに移る。
現在の法体制や社会システムを無視することなく、現実的に問題への対処を考える場合、
まずはきっかけとして今できることを考える必要がある。
と同時に、システムの欠陥を洗い出し、何を改善し、何を残すのかを並行で検討する。
そのような難しい作業が求められているのがこの21世紀という時代なのだ。
その難しさへ直面することが、2010年に僕に求められていることだったのではないか、と感じている。

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テーマ : 教育問題について考える
ジャンル : 学校・教育

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カミオーカー

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秋田で幸せな暮らしを考える

秋田県出身海士町在住。
2009年春に某IT企業で
新社会人としてデビュー。
2010年10月末から
海士町でいろいろ勉強中。
2011年度からの
身の振り方を考えながら。

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酒屋の息子

Twitter:@kamioka

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